チャレンジ甲子園2025ダイジェスト

9月20日、『OKUIZUMOチャレンジ甲子園2025』アクションプラン発表会を開催しました。

チャレンジ甲子園は、35歳以下の若者がやりたいことと地域課題や地域資源を掛け合わせたアクションプランを提案し、実行するまでを伴走支援するプログラムです。まずは3ヶ月間、アクションプランを考えるところまで取り組んできました。

5月末に開催したキックオフ会では8組10名の方が応募してくださり、やりたいことを「チャレンジ宣言」として発表いただきました。当時はやってみたいことが漠然としており、このような企画に参加したことがない方がほとんどであるため、3ヶ月でどこまでプランに落とし込めるのか不安を抱えながらのスタートを迎えました。

今回は、3ヶ月間の取り組みと最終発表会の様子をダイジェストとしてまとめてみました。

1ヶ月目:プロジェクトシートの作成・考えの言語化

まず1ヶ月目には、「プロジェクトシート」を作成していただきました。

現時点でやってみたいことやその背景、またなぜ挑戦したいのかをまとめていただき、各自がどこまで具体に落とし込めているのか現在地を把握しました。今回はプロダクトインの考え方(自分がいいと思うものを売る)ではなく、マーケットインの考え方を培っていただくために、あえて地域課題の分析や社会背景についてもしっかり情報収集するところから取り組めるようにプロジェクトシートを構成しました。

個別でのフィードバックを1〜2回ほどさせていただき、6月頭には「オンライン相談会」を平日夜・土曜午後の2回に分けて開催しました。初めて取り組む方にとって、言語化するにもどのように言葉にすればいいかわからないため、15分程度のミニセミナーを行いました。

相談会では、他の人の話を聞いていると新たな気づきが生まれやすいため、あえてグループコンサルのようにみんなのいる中で一人一人のフィードバックをしました。最初は言葉に詰まることもありましたが、「次までに何を考えるのか・調べるのか」を明確に伝えることでしっかりとネクストアクションを持ち帰っていただけるように心がけました。

2ヶ月目:奥出雲町内ツアー・ワークショップ

8月8・9日で奥出雲町内のツアーを企画していたため、それまでに自分が取り組みたいことに必要な要素を考えてくる課題を出しました。やりたいことから考え始めると、手段と目的が逆転しがちです。今回は、応援してもらえるアクションプランを考えることが目標であるため、「何のために、何をするのか」を考え直していただきました。

そこで用いたのが「マンダラチャート」です。

例えば、「ケーキを売ること」は目的ではありません。「どんな子どもも誕生日にケーキが食べられる社会にする」ことが目的であり、そのために「寄付を募って可愛いケーキを売る」という手段をとるわけです。そうした実は見えなくなっている、本質的な自分がやりたいことの背景にある目的をしっかりと言語化すること、そして目的を叶えるために何が必要なのかを整理し、まず何から始めるのかをまとめていただきました。

この作業は非常に難しいのですが、自分の原体験や過去の出来事を振り返り、何のために自分の時間を使っていきたいのかを考えるきっかけとなります。そして、自己満足で終わらずやりたいことが誰かの役に立てるアクションプランに落とし込めるようにするための練習として考えていただきました。

町内合宿の様子は以前の記事をご覧ください

【8月8・9日】チャレンジ甲子園2025合宿@奥出雲

6月20日にキックオフを迎えた「OKUIZUMOチャレンジ甲子園2025」 7名1チームの計10名と、サポーター2名で取り組んでいます。 チャレンジ甲子園は、昨年度に行われた「おく…

3ヶ月目:ヒアリング・プレゼンテーション作成

プレゼンテーションを作っていく段階に入ると、アクションプランの背景に根拠がなかったり、何の地域課題を設定するか考え直すタイミングになりました。自分が伝えたいことは本当にこれでいいのか、自分のアイディアは応援されるのだろうか、、さまざまな葛藤を抱えながらその答えを確かめていくように、地域の方や役場の方などにヒアリングをしにいく姿が増えてきました。

1ヶ月目に実施した情報収集はあくまでネット上の情報や知人に聞いた話を書いている方々多かったですが、本気で人に伝えるアクションプランとなるとようやく焦り出したようにも感じました。笑

根拠あるデータや現場の声、体験している人、自分自身の体感など、自分の言葉で伝えられるものになるように努力されていたからこそ、3回目のプレゼンチェックくらいからとてもいい内容に改良されていくのが明確にわかりました。

中には「はじめての起業塾」にも参加し、言語化する機会やプレゼンテーションの極意を学びにくる方もいました。

最終発表会までの2週間ほどは、毎日のようにみなさんのプレゼンテーションをフィードバックしたり、本番の準備をしたりとだいぶバタバタしておりました。しかし、積極的に連絡をしてくれたり、いいものにしようと取り組んでくれることが心から嬉しかったです。自分がチャレンジ甲子園を立ち上げた意味を感じさせてくれたのは、参加者の皆さんでした。

発表会前日

ギリギリになってチャレンジ甲子園のTシャツ作り(作る予定でしたが準備をサボっていました。。)

チャレンジ甲子園サポーターの竜さんや役場の安部さんを頼り、初めてスクリーンプリントをしました。シンプルではありますが、参加者を思ってみんなで作るのは楽しいものですね。2枚ほど余分もあり、ぜひ町長にも来てもらおう!!と追加で作っていただきました。

最終発表の資料提出期限は、24時。20時頃になってもまだ誰からも資料が来ない・・・笑

ドキドキして待っていたら夜遅くに連続して資料が届きました。中身を見るとフィードバックで伝えたことがしっかり組み込まれていたり、自分なりに改良してきたんだということがよく伝わる内容でした。

みんな遅くまで本当にお疲れ様でした!!

アクションプラン発表会当日

午前9時から会場の準備を始め、バタバタしていると参加者の皆さんが集まってきました。

10時からリハーサルを行い、初めて舞台の上で1人で発表することにみなさんの緊張感が高まってくるのが伝わり、いい高揚感を持つことができました。

そしていよいよ会場をオープンする時間になり、全員で甲子園らしく円陣を組んで気合を入れました。

司会の場所へたち、12時59分になった時計を見た時、「いよいよだ」と自分のスイッチが入ったのがわかりました。

昨年度の「おくいずも未来会議」で提案したのが、今年の2月。打ち合わせを重ね、5月から募集を開始してから4ヶ月が経ちました。これまでもプログラムの設計などは経験がありましたが、自分がメインとなって取り組んだのは初めてです。

正直、こうしたイベント形式のことやチャレンジの段階で発表してもらうことは本質的ではないのではないか、盛り上がるだけで結局形にならないのではないか、などこれまで浴びてきたような言葉が今回もあるのではと不安もありました。

しかし、私の中ではこのチャレンジ甲子園は若者にとって必ずかけがえのない経験になると確信していました。

そしていよいよスタートしたチャレンジ甲子園。

みんなの息遣いや言葉の震え、マイクを握る手に汗が滲むのが手に取るように伝わる緊張感。

一方で誰もが堂々と舞台に立ち、声を出し、しっかりと会場の皆さんを見て想いを、アクションプランをプレゼンテーションしました。初めてとは思えぬほど素晴らしい姿に、私は胸が高鳴り感動しました。

よくここまで3ヶ月間で仕上げてきたという驚きと、会場がたくさんの温かい拍手に包まれ、みんなの思いと行動が報われたような感覚でした。一緒にこの企画を作り上げてくれて、本当にありがとう。

今回は来場してくださった方々に応援したいプランを選択していただく投票形式としました。

この順位が大事なのではなく、この先しっかり取り組んで形にすることが大事なのだと伝えた上で、プレゼンテーションによって人の心や行動がどう変わるのかを学んでいただく機会でもあったように思います。

結果発表

あえて賞を取った方々をここで取り上げることはしません。会場に来てくださった方々からたくさんのお褒めの言葉をいただき、またこれからの皆さんの活動を応援する、一緒にやりたいという声が飛び交い、それが何よりの結果です。

3ヶ月間、一生懸命に自分と向き合い、地域を知り、悩みながらも素晴らしい発表とアクションプランを掲げてくれたこと、そしてチャレンジ甲子園が実現できるように協力してくださったスポンサーの皆様、役場の皆様、会場に足を運んでくださった皆様、仲間たち、心からお礼申し上げます。

チャレンジ甲子園は、ここからがスタートです。

発表したアクションプランを実現するために、新たなスタートを切ります。

また進捗の報告をさせていただきますので、引き続きよろしくお願いいたします!!

ありがとうございました!

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