令和6年度 島根県地域おこし協力隊隊員・自治体職員 合同研修会レポート
奥出雲町地域おこし協力隊のやすDです!
2024年9月9日、10日の2日間にわたり、しまね協力隊ネットワークさんが運営された「令和6年度 島根県地域おこし協力隊隊員・自治体職員 合同研修会」に参加してきました!島根県の協力隊はとても熱い方が多く、こんなに活気溢れた会なのかと驚きました。これを機にもっと協力隊関係の研修会に参加する意欲が湧きました。(今更ですが、、)
それでは、当日の様子や何を学んできたのかについてご紹介していきます。
📌合同研修会とは
合同研修会は、地域おこし協力隊制度に関わる隊員と自治体職員を対象にそれぞれの連携を強化し、隊員の制度理解を深めることを目的とした研修会です。協力隊OBの講演やワークを通して、任期中または任期後の目標に向けた行動計画を考えました。
主催:公益財団法人ふるさと島根定住財団
運営:一般社団法人しまね協力隊ネットワーク
📌タイムスケジュール
1日目(2024/9/9)
・チェックイン(自己紹介)
・基調講演
「地域おこし協力隊の現在地〜これまでとこれから、そして、変わったことと変わらないこと〜」
講師:稲垣文彦氏(認定NPO法人ふるさと回帰支援センター 副事務局長)
・隊員向け分科会
ロードマップ作成ワークショップ、グループシェア
2日目(2024/9/10)
・分科会①「理想の働き方と暮らし方を考える」 講師:西嶋一泰氏
・分科会②「起業に向けた過ごし方と大事にしたいこと」講師:糸賀夏樹氏
・ロードマップのブラッシュアップ、全体シェア
📌地域づくりの足し算と掛け算の法則
まずは講師の稲垣さんより、漫談のような楽しく学べる講演がありました。
講師:稲垣文彦氏
NPO法人ふるさと回帰支援センター・副事務局長。令和6年度地域おこし協力隊アドバイザー。
2004年、地域復興のための中間支援組織「中越復興市民会議」を創設、官民協働による震災復興を推進。
2009年、(公社)中越防災安全推進機構復興デザインセンター長に就任、中越地震の地域復興支援員の人材育成、東日本大震災の復興支援員制度の普及に尽力。
2012年、初代ながおか市民協働センターに就任(兼務)
2015年、柏崎市協働まちづくり専門官に就任(兼務)、その後、初代かしわざき市民活動センター長に就任、市民協働のまちづくりに尽力。
2021年、ふるさと回帰支援センター副事務局長に就任(現職)、地方移住の推進と研究を行う。
稲垣さんは、2004年10月23日に発生した中越地震後の復興支援に携わり、中山間地域の資源を活用した
これまでにない創造型の復興プロジェクトを立ち上げるなど中山間地域のまちづくりを20年にわたり進めてきました。
講義では、地域づくりの足し算と掛け算の法則や、「めざす」関わりと「すごす」関わりについてお話いただきました。過疎化した地域ではまず住民の不安や悩みに寄り添う支援が必要であるなど、外部者が関わるときに大切なことを伝えていただきました。
特に、地域住民の諦めは無関心から生まれるため、外から来たからこそ「畑教えてください」「一緒にお料理させてください」「すごく綺麗な畑ですね」「何か力になれることはありませんか?」と寄り添う姿勢が後に住民の主体性を生むことにつながると教えていただきました。
「関係性が構築できていない状態で、新しいことを掛け算してもうまくはいかない。まずはできることより、地域と共に考え、行動することが大切なんです。」
震災時など、真っ当な目標を目指したくても難しい状況では、「目指す」という関わり方が、かえって地域を無力にしてしまうことがあると指摘された、中越地震の復興支援に携わった学生の論文を紹介していただきました。特に印象に残ったのは、地域に対して「変わらなくても良い」という前提で、相手の存在のかけがえのなさを確認し合うような、「過ごす」関わり方が大切だというメッセージでした。
📌ロードマップ作成
基調講演後には、着任時からこれまでに活動してきたことや、地域のイベント、アクション時の感情を書き込むワークシートを実施しました。
記入後は自治体の担当職員(奥出雲町の高橋さん)に共有して意見交換をしました。改めて活動内容や考えていることを共有する機会がなかったため、「初めて知ることがたくさんありますね。」とのコメントにハッとしました。
恥ずかしながら地域の仲間や自治体職員に対しても、明確に自分の考えを伝えることをしていませんでした。そのため、感想をいただいたり、ポジティブフィードバックをいただくことができてとてもスッキリした気持ちになりました。現在地とゴールが合っているか互いに確認することで認識のズレを防いでいきたいです。
また他地域の協力隊の方々と話す中で、新たな気づきや共感点が見つかっていく対話の時間がとても楽しかったです。研修後の気持ちを天気マークで表現しました。
📌協力隊OBによる講演
分科会は2つのテーマに分かれており、どちらかを選択して参加します。私は起業コーディネーターであり、自身も起業に向けて取り組みたいため分科会②に参加しました。
講師の糸賀さんは、出雲市からJターンで奥出雲に移住し、現在は奥出雲町で唯一の不動産(オクリノ不動産)を経営しています。他にもレンタルスペース&キッチン「金吉屋」や昨年、株式会社みんなの事務局も立ち上げています。「まちのにぎわいをつくる」をミッションに、やりたい人が、やりたい時に、やりたいようにできる環境づくりをされています。そうした想いや起業に至った経緯、何を軸としてきたのかについてお話いただきました。
特に印象的だったのは「やりたいことをする時に、セカンドペンギンを見つけられるかどうかが大事」という言葉です。これまで私はセカンドペンギン的な立場になることが多く、そこに価値があるのか自信が持てずにいました。
この言葉を聞いた時に、日の目を浴びなくても起業する人、チャレンジする人にとってセカンドペンギンは大事な存在なのだと思えて救われた気持ちになりました。今後は自分が起業家にもなり、セカンドにもなれる柔軟さを大事にしていきます。
プレゼンテーションのコツについても学び、全体を通してエンパワーメントされました!
稲垣さん、糸賀さん、ありがとうございました!
📌まとめ
今回の研修では、これからの3年間をどう使うかを考えるきっかけと、現在地を把握する機会をいただきました。何より地域おこし協力隊の仲間がこれほどに熱いことにも感動しました。
今月27日には奥出雲町地域おこし協力隊の中間発表会があります。
そこではアクションベースで今後の計画を伝えていきたいです。
旅する広報部では、地域おこし協力隊としての活動記録だけでなく、奥出雲町の起業事例や企業さんの紹介をしていく予定です。奥出雲に興味がある、協力隊に興味がある、ライターに興味がある!という方はぜひメールまたはSNSよりメッセージください✉️
次回は、視察レポートと協力隊として初めての自主企画イベントのレポートを投稿予定です。ぜひご覧ください。
****おまけ****
今回は、島根県松江市の駅近にあるホテル煎(SEN)に宿泊しました。とても綺麗で快適でした!
1階は美味しそうな匂いが漂うカレー屋さんで、駅から徒歩2~3分なので食事も困りません。朝は駅中のスターバックスでコーヒーを買い、爽やかな気分で2日目の研修を迎えられました。